重症筋無力症とは


重症筋無力症とは

末梢神経と筋肉の接ぎ目(神経筋接合部)において、脳の命令によって
神経側から放出された神経伝達物質(アセチルコリン)の筋肉側の
受け皿(アセチルコリン受容体)が、自己抗体により攻撃される自己免疫疾患です。

通常よりも疲れやすい、特に眼瞼下垂(瞼が下がってくること)
複視(モノが二重に見える)などの眼の症状をおこしやすいことが特徴です。
(眼の症状だけの場合は眼筋型、全身の症状があるものを全身型とよんでいます。)
全身の筋力低下のため上肢の挙上(手を挙げる)や立ち上がりが困難になってきます。
嚥下(モノを飲み込むこと)や咀嚼(モノを噛むこと)が上手く出来なくなる場合もあります。
重症化すると呼吸筋の麻痺をおこすこともあります。

この病気は遺伝はしません。
遺伝をする筋無力症もまれにありますが、これは先天性筋無力症候群と言われる
遺伝子変異による疾患で、自己免疫性の重症筋無力症は遺伝をすることはありません。

重症筋無力症の疫学

●有病率 人口10万人に対して5.1人
●男女比 男性1:女性2 (男性に比べて、女性は約2倍)
●発症年齢 30歳代までは女性が男性の4~5倍、50歳以降では男性の方が多くなります。


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